今回は、子どもの頭をよくする2つの日課についてご紹介していきます。
子ども時代は、とても貴重です。
脳は日に日に変化しづらくなっていくので、なるべく頭がやわらかいうちに、あなたのお子さんにさまざまな刺激を与えることはとても大切になってきます。
ですが、毎回毎回新しい刺激や経験をさせるのはむずかしいですよね。
ですが、近年の研究から、普段の日常生活で継続的に取り入れることで、子どもの頭を良くするとわかっている日課があります。
今回ご紹介するのは以下の2つです。
●お手伝い
●日記
では、これら2つがどのようなプラスの影響をもたらすのか、そして、子どもにやらせるときにどんなことを気をつければいいかなど、そのポイントについて解説していきます。
そのため、子どもに良い影響をもたらす日課を取り入れたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
目次
【お手伝いは早くからやらせるべき!】
お手伝いが子どもにもたらす驚くべき影響
「お手伝い」は、子どもに多くのプラス効果をもたらすことがわかっています。
そのなかで、ご紹介したいのが、アメリカのミネソタ大学のマーティー・ロスマン教授の実験(*¹)です。
この実験では、未就学児84名を集めて、お手伝いの習慣があるかどうかを調べました。
そして、その子どもたちが10歳、15歳、20歳になったときに、お手伝いがその子どもたちにどのような影響をもたらしているかを調査しました。
その結果、3~4歳の時期にお手伝いを始めたお子さんは、「10代でお手伝いを始めた子ども」や「お手伝いをまったくしなかったお子さん」に比べて、以下のような特徴があることがわかりました。
●成績が良い
→学習能力やIQに影響
●仕事で成功しやすい
●家族や友人との関係が良好
●自分のことは自分でできる
つまり、早い時期からお母さんやお父さんのお手伝いを始めることで、IQや学習能力はもちろん、将来の就業やコミュニケーション能力、自立性などに影響を与えることがわかります。
また、ハーバード大学の研究では、子どもの頃にお手伝いをする子どもほど、大人になってから良い精神状態になりやすいことも明らかになっています(*²)。
たしかに、お子さんがまだ小さいと教えるのにも時間がかかりますし、自分でやったほうが早いと感じる方も多いと思います。
でも、お手伝いも貴重な子どもの経験になります。
そのため、日常生活のなかで、お子さんにお手伝いをさせることは、その子の将来にも良い効果をもたらすので、積極的にやらせることが大切です。
【どんなお手伝いをやらせたらいい?】
子どもにお手伝いをさせるときのポイント
子どもにお手伝いをさせるといっても、
「どんなお手伝いがいいのかな…」
と悩んでしまいますよね。
でも、そこまで難しく考える必要はありません。
一番オススメなのが、普段あなたがおこなっている家事のなかで、簡単なものを手伝ってもらうことです。
たとえば、以下のようなものがありますよね!
●洗濯
●お料理
●お掃除
(部屋の片付け・お風呂掃除)
●おつかい
●靴並べ
などなど
また、これはあくまでもざっくりまとめましたが、ひとつひとつ細分化することができます。
たとえば、洗濯物であれば、
「自分が脱いだものを洗濯機に入れる作業」
「スイッチを押す作業」
「洗濯バサミなどつかって干す作業」
「洗濯物を畳む作業」
などに分けることができます。
そのため、このなかからお子さんの興味や能力に応じてやらせてあげることが大事です。
また、子どもにお手伝いをしてもらうときには以下の3つのポイントを意識するようにしましょう。
①子どもが楽しくできること
②子どもが練習すればできること
(子どもに及ぼす危険・リスクも考慮)
③一緒にやってあげること
この3つのポイントをしっかりと意識することで、子どももお母さんもお互い良い気持ちでお手伝いしてもらうことができます。
では、それぞれのポイントを見ていきましょう。
①子どもが楽しくできること
まず、一番大切なことは、
「子どもが楽しくできること」
です。
たとえば、子どもによっては、靴並べは好きでも、お風呂掃除はキライという場合もあります。
そのときに、キライなものを強要するのはNGです。
特に小さいお子さんは、自分がやりたいと思ったことはトコトンがんばることができますが、イヤなものは一切受け付けません。
そのため、お手伝いでできることはたくさんあるので、そのなかでまずはお子さんが「やってみたい!」と思うものを大切にしてあげましょう。
②子どもが練習すればできること
2つ目のポイントは、お子さんがすでにできることだけではなく、ちょっと練習すればできることをやらせてあげることです。
イメージとしては、今のお子さんがちょっど努力すればできること、です。
(あいまいですみません…!)
毎回新しいお手伝いをやらせて、少しずつステップアップさせていくことが大切になってきます。
また、お料理などを手伝わせるときは、大きな危険が子どもに及ばないかもしっかりと配慮することが必要です。
(包丁や熱いお鍋などが代表的な例ですね。)
③一緒にやってあげること
最後、お手伝いを子どもにやらせるときに、最も大切なこと、それは
「お母さんも一緒にやってあげること」
です。
子どもがお手伝いをするときは、
「お母さんを助けたい」
「ママの役に立ちたい」
「お母さんに褒められたい」
などの思いをもっていることが多いです。
そのため、お手伝いを一人でやらせるのではなくて、しっかりといっしょにやってあげることを大切にしましょう。
また、一緒にお手伝いをすることで、親子のコミュニケーションも増えるので、オススメです!
【日記は学習能力を高める!】
日記が子どもにもたらすプラス効果
もうひとつオススメしたい日課が「日記」です。
ですので、ある程度文字が書けるようになったら、日記をつけることも個人的にはオススメです。
日記の効果については、ウェイン州立大学のラムレー博士の研究グループの調査(*³)になります・
この実験では、74名の大学生を集めて、日記を書かせました。
そして、以下の2つのグループに分けて、その後、試験を受けてもらい、結果を比較をしました。
A:自分が1日の中で深く感じたことを書き出す
B:明日何をしたいのかを書き出す
この調査を通じて、Aグループ(感情を書き出したグループ)のほうがストレスが軽減され、学力まで上がりやすいことがわかりました。
まあ、他の報告でも、感情を人に話すよりもノートに書き出したほうがストレスが軽減されやすく、心理状態が高まることも確認されています(*⁵*⁶)。
悩みやストレスがあると学習能力が下がることもわかっているので、日記をつけることで、気持ちをスッキリさせて、学習能力を高める可能性もあるといえます。
【子どもが楽しく日記をつけるためには?】
子どもに日記をつけさせるためのポイント
子どもが日記をつけられるようになるためには、ある程度文字を書ける必要があります。
また、子どもが日記をつけられるようになるには、最初はお母さん、または、お父さんが横に座って、いっしょに内容を考えたり、文章を考えてあげることが大切です。
いきなり、ノートと鉛筆を渡して「はい、書いてみて」と言っても、なかなかできません。
そのため、小さいお子さんの場合は最初は手とり足とり教えて上げることが必要なのです!
また、子どもが日記を書いたら、それに対して「~なことがあったんだね、よくがんばりました!」など、ポジティブなメッセージを添えてあげるようにしましょう。
そうすることで、日記を続けるモチベーションにもなります。
また、
「なかなか日記を書いてくれない…」
という場合は以下の方法もぜひ試してみてくださいね!
✓ 親御さんご自身が日記をつける
✓ 交換日記をしてみる
✓ 子どもが興味のあるテーマでまとめる
では、それぞれのポイントをもう少し詳しく見ていきましょう。
✓ 親御さんご自身が日記をつける
子どもに日記をつけてほしいと思うとき、まず、親御さんご自身が日記をつける姿を見せるとうまくいくことがあります。
たとえば、読書をする習慣がある親御さんの子どもは、同じように読書をするようになること聞きますよね。
ですので、一日の終わりにリビングで日記を書いていれば、子どもは「それは何?」と興味をもちはじめ、一緒に日記をつけるようになることも!
ですので、もしご自身が可能であれば、日記を始めるのも個人的にはオススメです。
✓ 交換日記をしてみる
交換日記もオススメです。
1日おきとか1週間おきに交換日記をすることで、お互いの負担も軽くなりますし、続けるモチベーションにもなります。
また、交換日記をすることで、親子のコミュニケーションや絆にも良い影響を与えることが考えられます。
ですので、交換日記もひとつの方法として、考えてみてくださいね!
✓ 子どもが興味のあるテーマでまとめる
日記と聞くと、「その日にあった出来事」を書くことをイメージしがちですが、決してそんなことはありません。
自分の好きなテーマでもぜんぜんいいのです。
たとえば、電車が好きな子であれば、電車ごとに調べて、それをまとめてもいいんです。
そのため、好きなテーマのほうが書きやすいし、続けやすいという場合は、まずはそこから始めてみるのもオススメです。
さいごに
ここまで、子どもにプラスの効果をもたらす2つの日課についてご紹介してきました。
お手伝いと日記、まず始めやすいのは「お手伝い」だと思います。
繰り返しになりますが、小さいお子さんにお手伝いをしてもらうときは、最初に多くの時間が取られますし、お母さまの負担も大きくなります。
でも、それほどお子さんに与える影響も大きいです。
そのため、まずは可能なところからお子さんにお手伝いをさせてあげてみてくださいね!
【参考文献 / Reference】
4.The consequences of dysphoric rumination(Sonja Lyubomirsky)