生後10か月~12か月の子どもは、はいはいやつかまり立ちができるようになって、行動範囲や視界が大きく広がる時期です。
それに伴って、さまざまなことに興味を持ちやすくなるとともに、脳にたくさんの刺激を与えることが大切です。
つまり、この時期にお母さんやお父さんが適切な関わり方をしてあげることで、後々お子さんに良い発達をもたらすことができるのです。
そこで今回は、生後10か月~12か月の赤ちゃんに効果的な幼児教育や具体的な関わり方について、わかりやすく解説していきます。
目次
具体的にどんなことをしてあげたらいい?
最初にもお伝えしたように、この月齢の赤ちゃんは、はいはいができるようになったり、つかまり立ちができるようになったりして、移動範囲が広がったり、見える世界がガラッと変わる大切な時期になります。
それに伴って、この時期だからこそできる遊びやトレーニングもあります。
それをしてあげることで、赤ちゃんの脳にさまざまな刺激を与えることができます。
そのため、この時期の赤ちゃんには普段の関わり合いのなかで、次のような工夫をしてあげましょう。
①はいはいトレーニング
②食べ物を噛んで飲み込むトレーニング
③スプーントレーニング
④言葉なおし
⑤足踏み体操
⑥おもちゃを使った遊び
⑦絵本の読み聞かせ
では、①~⑦について、それぞれのポイントややり方を少し詳しく見ていきましょう。
①はいはいトレーニング
この時期になると、はいはいができるようになる赤ちゃんが増えてきます。
はいはいは、手足をついた四つん這いの動きのため、運動としては軽視されがちですが、そんなことはありません。
というのも、はいはいでは、自分の力で体を支えて動いたり、その動きに対応させて視線や商店を調整する練習になるからです。
さらに、直進の加速に対応して体勢を保つトレーニングにもなるため、さまざまな脳の働きを同時に必要とします。
つまり、はいはいは高度な動きなのです。
そのため、しっかりとこの時期にたくさんはいはいをさせましょう。
また、最初は水平な床ではいはいをさせてあげましょう。
そして、慣れてきたら、布団やマットなどを重ねて凸凹の坂などをつくり、その上をはいはいさせましょう。
そうすることで、体を支える力やバランス感覚をさらに鍛えることができます。
床に怪我の原因となる異物などが落ちていないか注意するようにしましょう。
②食べ物を噛んで飲み込むトレーニング
この時期から、初期の離乳食ではほとんど噛む必要がありませんが、今のうちから「噛んで、砕いて、飲み込む」という一連の動作をしっかりと教えてあげるようにしましょう。
手順としては、まずお母さんが赤ちゃんに口元をよく見せながら、お手本を見せます。
次に、赤ちゃんの口に離乳食を入れます。
このときに、味を感じやすい「味蕾(みらい)」のある舌先に乗せてあげるのがポイントです。
そして、赤ちゃんの口の動きに合わせながら、「もぐもぐ」と言い、「ごっくん」と声をかけて飲み込ませましょう。
さいごに、必ず「あーん」と言って、舌を出させて口の中が空なのを確認しましょう。
③スプーントレーニング
離乳食が始まって少し経ったら、スプーンを持つ練習もはじめましょう。
というのも、スプーンの上手な使い方を教えることで、指を器用に使って道具を使いこなす基礎の力を身につけることができるからです。
そのため、この時期から、スプーンを積極的に使わせて、指の使い方を覚えさせましょう。
手順は、まずお母さんが人差し指・中指・親指の3本でスプーンの柄を持って赤ちゃんに見せます。
次に、赤ちゃんにそれをまねさせます。
このとき、うまく持てないようであれば、お母さんが手伝ってあげましょう。
離乳食を食べる時にこれを繰り返してスプーンを早めに使えるようにしましょう。
そすることで、後々お箸を使うときも上達が早くなります。
④言葉なおし
この時期から、少しずつ赤ちゃん言葉を正しい言葉に直していきましょう。
そのためには、お母さんが赤ちゃん言葉を使わないようにすることが必要です。
赤ちゃんに声掛けするときはもちろん、お話をするときも必ず正しい日本語を使うことを意識しましょう。
また、例えば、赤ちゃんが犬を見て「わんわん」と言ったら、「犬がいるね~」というふうに赤ちゃん言葉に対して正しい日本語を教えてあげるのも大切です。
このとき、口元をお見せながらゆっくり発音することで、赤ちゃんの言葉の覚えも早くなります。
このような点を踏まえて、今のうちから少しずつ正しい日本語を教えることを意識していきましょう。
⑤足踏み体操
つかまり立ちができるようになったら、足踏み体操を行うようにしましょう。
私たち人間は歩く時に、まず地面にかかとをつけて、体重を後ろから前に移動させて、最後につま先で地面を蹴ります。
この動作を正しく行うためには、かかとから着地して、足の裏を地面にしっかりとつけて、地面を蹴り上げるときに拇指球をしっかりと踏み付けることが大切です。
この一連の動作を練習するのにおすすめなのが「足踏み体操」です。
「足踏み体操」の手順は、まず赤ちゃんをテーブルにつかまり立ちさせます。
そして、赤ちゃんの足の甲を上から手で押し付け、次に押さえていた手の力を抜いて足を上げさせます。
このとき、拇指球がしっかりと床につくようにするのがポイントです。
これを左右交互に1日5回ずつを目安に行いましょう。
⑥おもちゃを使った遊び
この時期になったら、たくさんのおもちゃの中から、赤ちゃんに好きな物を選ばせて、遊ばせてあげましょう。
最初は、お母さんがおもちゃんを一つ選んで、赤ちゃんの興味をひくように遊んでみましょう。
そうすると、一緒に遊んでいるうちに、だんだん赤ちゃんが好きなおもちゃを使って遊ぶようになります。
そして、赤ちゃんの好みがわかってきたら、そのおもちゃを決まった場所にしまって、「ここに置くからね」と声をかけてあげましょう。
こうすることで、赤ちゃんは次に遊ぶ時にそのおもちゃが置いてある場所を覚えておかなければなりません。
これを習慣化することで、一時的に記憶するときに必要なワーキングメモリーを鍛えることができます。
また、使いたいおもちゃを赤ちゃんに選ばせることで、取捨選択の基礎を身につけるさせることもできます。
そのため、この時期から好きなおもちゃを使って遊ばせるようにしましょう。
⑦絵本の読み聞かせ
この時期は、言語をたくさんため込む時期でもあります。
そのため、お母さんやお父さんがたくさん話しかけてあげるとともに、絵本の読み聞かせもはじめてみるようにしましょう。
絵本には、普段の会話では使わないような表現がたくさん詰まっていたり、素敵な絵が書かれているため、赤ちゃんの興味を引きやすいです。
また、絵本を読んでいる時に、赤ちゃんが他の方を向いていたり、聞いていないように感じても問題ありません。
赤ちゃんはお母さんの声をちゃんと聞いているため、丁寧に楽しく読んであげるようにしましょう。
そうすることで、後々語彙力に良い影響をもたらします。
さいごに
今回は、生後10か月~12か月の赤ちゃんに効果的な幼児教育や具体的な関わり方について解説してきました。
この時期の赤ちゃんは、できるようになることが増えてくるため、それに伴って適切な刺激や遊び、トレーニングをさせてあげることが大切です。
そのため、生後10か月~12ヶ月のお子さんがいらっしゃる方は、今回解説したことを参考にしてみてくださいね!