普段の子育てのなかで、子どもがいたずらしたり、悪いことをすると、ついついカッとなって怒鳴ってしまったり、きつく言い過ぎたりしてしまうことがありますよね。
お母さんだって人間なので、仕方ありません。
また、気持ちに余裕があるときは、優しく穏やかに対応できますが、ストレスが溜まっていたり、忙しいときに子どもが悪いことをすると、しんどいですよね。
僕も、シッターや幼児教室での講師の経験がありますが、どんな子どもでもいたずらや悪さをします。
もちろん、ちょっと見方を変えれば、好奇心旺盛で子どもらしいとも言えますよね。
ただ、限度を超えたいたずらや悪さは見逃してはいけません。
そこで、今回は主に4歳以降の子どもを叱るときの、具体的なポイントについて解説していきます。
目次
叱るときの5つのポイント
では、ここから叱るときの具体的な5つのポイントについて、解説していきます。
もちろん、状況によって実践できるものとそうでないものがありますので、ご自身ができることからやってみてくださいね!
子どもに叱るときのポイントは次の5つです。
①お互いの心の準備ができるまで少し時間をおく
②目線の高さを合わせて話す
③いつもより静かな声を意識
④ダラダラと長く叱らない
⑤叱り終わったら後に引っ張らない
では、それぞれのポイントについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
①お互いの心の準備ができるまで少し時間をおく
子どもがいたずらや悪さをした後に、すぐに叱っても響かないケースが多いです。
というのも、子どもがいたずらをしたり、悪さをしたときは、たいてい感情が高まっていて、興奮状態にあることが多いからです。
そこでガミガミと怒っても、何も響きませんし、よりいっそう癇癪を起こしたりします。
また、このような状態で叱ると、ぜんぜん話を聞こうとしない子どもの姿に親御さんまでイライラしてしまって、結局怒りに任せた叱り方になってしまいます。
そのため、子どもが悪さやいたずらをしたら、まずは子どもの状態を見て、今叱って、果たして意味があるかどうかを見極めるようにしましょう。
そして、もし子どもが癇癪を起こして物を投げたり、泣いていたりしたら、一度、他の静かな部屋に連れていき、「落ち着くまでここにひとりでいなさい」と言って、一人にしてあげましょう。
ちなみに、これを専門用語で『タイムアウト』と言ったりします。
そして、その間に親御さんは
・自分が何に対して叱りたいのか
・この1件を通じて何を伝えたいのか(学ばせたいのか)
を少しの間、考えるようにしましょう。
もちろん、子どもの話を聞いて、こちらが伝えたいことが変わる可能性もあるため、大まかに決めておけば大丈夫です。
②二人だけの静かな空間で話をする
叱るときは、静かなお部屋で、二人だけで話すようにしましょう。
よくありがちなのが、兄弟がいるところで怒鳴ったり、テレビがついた状態で叱ることです。
このように、兄弟がいたり、テレビがついている状況で叱ると、子どもの注意がそちらに散ってしまって、何も伝わらないことが多いです。
特にテレビがついていると、子どもの目線がテレビのほうにいってしまうことが多々あります。
そうなると、親御さんは、目をみてちゃんと話を聞いていない子どもに余計に腹が立って、怒鳴ったり、乱暴なことをしてしまうことがあります。
ただ、誘惑するものが多ければ、幼児期のお子さが注意散漫になってしまうのも無理ないです。
そのため、叱るときの環境づくりとして、子どもと話すときは誘惑するものがない静かな空間に移動するようにしましょう。
②目線の高さを合わせて話す
次に、子どもと話すときは、目線の高さ合わせて話すようにしましょう。
普通に叱ると、身長差から、親御さんのほうが目線が高くなり、子どもが見上げる形になってしまいます。
ただ、親御さんが上から子どもを見る形で叱ると、子どもは圧を感じてしまって、うつむいたり、目線を合わせないことが多いです。
そのため、叱るときは、膝立ちしたり、しゃがんだりして、なるべく子どもと目線の高さを合わせたり、親御さんが見上げる形で話すようにしましょう。
③威厳ある「静かな」声を意識
叱るとき、ほとんどの親御さんが第一声で怒鳴ったり、強く言ってしまったりすることが多いのでないでしょうか?
もちろん、子どもが道路に飛び出しそうになったり、危険な遊びをしていたりしたら、命の危険があるため、大きな声を出して、まずは子どもの行動を止めることが大切です。
ただ、①②のような準備や環境づくりができた状態で叱るときは、第一声で怒鳴ったり、大きな声を出す必要はありません。
例えば、会社の上司や先輩から叱られるとき、第一声からいきなり怒鳴られると、萎縮してしまいますし、嫌悪感を抱いてしまいますよね。
子どももいっしょです。
たしかに、第一声で怒鳴ったり、大きな声を出せば、その場は子どもも静かになって反省したように見えますが、結局数日後には同じことを繰り返してしまうことが多いです。
つまり、第一声でいきなり怒鳴ったり、大きな声を出すと、その後に伝えた内容が子どもの頭に入りづらくなってしまうということです。
そのため、わざわざ怒鳴ったり、大きな声を上げる必要はありません。
ただ、だからといって、4歳5歳のお子さんに対しては、1歳や2歳のお子さんに諭すような優しい語りかけである必要はないと個人的には思っています。
むしろ、静かな声では話しかけますが、表情で「真剣さ」を伝える必要があります。
まちがっても、叱っている途中にニコっとしたり、笑顔を見せる必要はありません。
こんなエピソードがあります。
僕が過去に教えていた子どものなかに、いつも叱っている途中でわざとニコッとする子どもがいました。
その子どもは、とっても笑顔がかわいい男の子で、ついつい笑った顔を見ると、大人も笑い返してしまうような子どもでした。
なので、ぼくも叱っている最中、ついついその子の笑顔に心が緩んでしまい、キチッと伝えなければならないことを伝えられていないことがありました。
その結果、その子は、僕が注意したことを何度何度も繰り返しました。
そこで、さすがにいけないと思って、その子どもをもう一度叱ることにしました。
その際、男の子はいつものように僕が話している途中で、ニコッと笑ってきましたが、そのとき僕は「今は笑うときじゃないよ。先生は今◯◯に怒っているよ」と表情を崩さずで、静かな声で伝えました。
その瞬間、その男の子も笑うのをやめて、いつもとちがう真剣な表情で聞いてくれました。
これを踏まえると叱るときは、威厳のある声と真剣な表情がポイントになると個人的に思っています。
つまり、怒鳴ったり、大きな声を出す必要はありませんが、変に優しくする必要はないということです。
そのため、叱るときは、静かな声を意識するとともに、真剣な威厳のある表情も意識してみてください。
ただ、これはお母さんには難しい場合もあります。
そのようなときには、お父さんに事情を話して協力してもらうことも個人的には大切だと思います。
④ダラダラと長く叱らない
よく子どもを叱るとき、ついつい長くなってしまうという方も少なくないと思います。
たしかに、叱っていると、過去に子どもがやってしまったあんなことやこんなことを思い出してしまって、いろいろ言いたくなるお気持ちはすごくわかります。
ただ、子どもは幼ければ幼いほど、集中力が続きません。
ぼくも、前に見ていた子どもがあまりに同じことを繰り返すので、長くタラタラと過去の話を持ち出して叱ってしまったことがありました。
そして、一通り話し終わって、その子の様子を見に行ったら、昼寝しちゃってたんですね。(笑)
話している最中から、うっつらうっつらしていたので、もしかしたら…と思っていましたが…(笑)
このときはすごく反省しました。
「あ、ぼくの話が長かったんだって…(笑)」
なので、ダラダラと長く叱ったところで、あんまり意味がないんです…。
そのため、子どもを叱るときは、短く簡潔に長くて5分、できれば、2~3分以内で的確に伝えることが大切です。
⑤叱り終わったら後に引っ張らない
叱った後に、よく後に引っ張ってしまう親御さんもいらっしゃると思います。
怒ったその日は、ずっときつく当たってしまったり、子どもの言うこと・やることに過敏に反応してしまったりとか…
逆に、叱った後に変にやさしくしたり、子どものことをやってあげてしまう親御さんもいらっしゃいます。
ただ、一度叱ったら、その後はしっかりと切り替えて、いつもと変わらないように接することを意識しましょう。
叱るときは、オンオフが大事なので、叱るときは短く・的確に、そして真剣さを意識して、終わったら自然体に戻るようにしましょう。
さいごに
今回は、4歳以降の子どもを叱るときの5つのポイントについて解説してきました。
子育てをしていれば、何度も子どもを叱らなければならない場面は出てくると思います。
ただ、叱り方を間違えなければ、子どもの同じ間違いを繰り返すことは減るので、叱る回数も自然と減って、親御さんの負担も少なくなります。
そのため、ぜひ今回解説したことを意識してみてくださいね!