現在、赤ちゃんの「スマホ依存」や「スマホ中毒」が問題となっています。
みなさんも、普段の生活で、赤ちゃんにYoutubeを見せたり、教育アプリを使わせたりしていませんか?
たしかに、スマホを渡すと、それに集中して静かになるので、親御さんとしても助かりますよね。
ただ、みなさんは、スマホを見せている間、赤ちゃんの脳でどのようなことが起きているか、そして、どのような悪影響がもたらされる危険があるのか考えたことはありますか?
iphoneなどスマホが普及しはじめて、まだ10年程度の歳月しか経っていないので、スマホが子どもにどんな影響を与えるのか、まだまだ断定的なことは言えません。
ただ、さまざまなところで、スマホの危険性が指摘されているのも事実です。
そこで今回は、スマホが赤ちゃんに与える悪影響について、わかりやすく解説していきます。
目次
スマホが赤ちゃんに与える悪影響
スマホを見せることで、さまざまな悪影響をもたらす危険性が指摘されています。
そのなかでも特にお母さんお父さんに押さえておいていただきたいことは次の5つです。
①親子のコミュニケーションの減少
②語彙力の低下
③運動不足による、不健全な発達
④脳に刺激を与えすぎて、脳を歪ませる
⑤視力・焦点への影響
ざっとまとめても、これだけの影響が考えられます。
では、ここからは、①~⑤について、それぞれもう少し深堀りしていきましょう。
①親子のコミュニケーションの減少
スマホを見せる時間が長くなればなるほど、親子のコミュニケーションは減っていきます。
そうなると、愛着関係を上手に築けなかったり、次にご紹介する言語の発達の遅れを生じさせる危険があります。
②語彙力の低下
現在に至るまでの研究から、赤ちゃんはDVDやYoutubなどから言語を学ぶことはほとんどなく、直接人が話しかけることで語彙力を身につけていくことがわかっています。
そのため、スマホを通して動画などを見る時間が多くなりすぎると、親子のコミュニケーションが減って語彙力の発達を阻害する危険があります。
③運動不足による、不健全な発達
乳幼児期のお子さんは、さまざまな動きを通して、五感を刺激し、成長・発達していきます。
例えば、ハイハイやつかまり立ち、歩くこと、他にも、物を投げたり、紙を破ったり、本のページを捲ったりなど、さまざまな経験をすることが大切です。
その貴重な時間にスマホを与えてしまうと、赤ちゃんはずっと画面を見るだけで、必要な五感の刺激をすることができません。
そうなると、当然、発達の観点から見てもよくありません。
④脳に刺激を与えすぎて、脳を歪ませる
スマホを通しての動画やアプリは、赤ちゃんにとって刺激が強すぎるとされています。
そのため、スマホ中毒になると、ずっと刺激されている状態が続いて、脳に歪みが生じます。
そうすると、落ち着きがなくなったり、癇癪を起こしやすくなったりして、今後の生活に支障をきたす恐れがあります。
⑤視力・焦点への影響
視力に関してはさまざまな説があります。
赤ちゃんは生まれてから少しずつ視力がよくなっていきます。
そのタイミングで、スマホを長時間見ると、視力の発達によくない影響を与える可能性はあります。
また、赤ちゃんはこの時期にお母さんやお父さんに話しかけてもらったり、目を合わせてもらうことで、焦点を合わせていきます。
そのため、この時期に、スマホなどを見せすぎると、親子がふれあう時間が減って、焦点が合わせることができなくなるケースもあります。
知育系の動画やDVDを見せてもほぼ意味なし!
現在、さまざまな知育DVDや知育アプリ、英語DVDなどが販売されていますよね。
おそらく、これを読んでくださっている方々のなかにはお子さんを賢くしたいと思って、知育動画を見せているという方もいらっしゃると思います。
ただ、現在までの研究によると、それらの効果はほとんど期待できないことがわかっています。
むしろ、これらのツールは、言語の発達に遅れが生じるリスクも指摘されています。
実際、ワシントン大学の研究チームが、ディズニー・カンパニーの傘下であるベイビー・アインシュタインの知育DVDシリーズを用いて調査しました。
研究チームは、製品が対象とする17ヶ月~24ヶ月の幼児に、このDVDを見せたが、語彙力には一切の変化が見られなかったと発表しています。
それどころか、1日に1時間、乳幼児向けのDVDやビデオを見て過ごした赤ちゃんは、いっさい見ていない赤ちゃんに比べて、理解できる単語の数が平均6語~8語少なかったこともわかっています。
そのため、言語の発達を考えても、赤ちゃんにテレビやDVDを見せることはオススメしません。
また、知育DVDの効果については以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はチェックしてみてくださいね!
WHOや米国小児科学会でも2歳まではメディアの使用を避けること推奨
WHOによるスマホの使用に関するガイドラインや米国小児科学でも、2歳までは、乳幼児期のお子さんにスクリーンを見せないことを推奨しています。
これは、先ほどご紹介したような子どもへの悪影響が要因となっています。
そのため、どうしても親御さんが手を離せないときに見せるのは仕方ありませんが、教育に良いと思って意図的に見せることは避けましょう。
また、スマホやタブレットなどをいつから使わせていいかについては、以下の記事で丁寧に解説しているので、こちらもチェックしてみてくださいね!
さいごに
今回は、スマホ中毒やスマホ依存が赤ちゃんに与える影響につい解説してきました。
正直、赤ちゃんにスマホを与えても、良い影響はほとんど期待できません。
むしろ、悪い影響を与える危険のほうがあります。
そのため、下手にスマホを見せるなら、親御さんが話しかけたり、絵本の読み聞かせをしてあげるほうが断然良いです。
絵本の読み聞かせが子どもにもたらす効果については以下の記事で詳しく解説していますので、こちらもチェックしてみてくださいね!