英語教育

英語のDVD教材は赤ちゃんに効果あり?研究論文を踏まえて解説!

突然ですが、皆さんは、お子さんをバイリンガルにしたいと思ったことはありませんか?

お子さんの将来を考えて、早いうちから、英語に触れさせて、英語力を身につけてほしいと思っている親御さんは少なくないと思います。

ちなみに、英語の早期教育でよく話題に登る「r」と「l」の発音の聞き分けるには、生後6ヶ月~12ヶ月の間に練習する必要があるとされています。

つまり、日本の赤ちゃんは1歳になるまでに、「r」と「l」の音を聞かないと、2つ発音の違いを耳で聞き分けることは難しいということなんですね。

また、親としては、せっかく英語を身につけるなら、きれいな発音で話せるようになってほしい、ゆえに、小さい頃から正しい発音を聞かせたいと思うものです。

このような事情もあり、特に意識が高いお母さんお父さんは、子どもが生まれて間もないときから、英語のDVD教材を見せているケースも多いです。

さらに、そのニーズに応えるかのように、さまざまな英語のDVD教材が販売されていますよね。

ただ、実は、近年の研究で、乳幼児期のお子さんに関しては、英語のDVD教材は効果が期待できないことがわかってきています。

そこで今回は、国内外の研究を踏まえて、乳幼児期の子どもを対象とした英語のDVD教材の効果や、有効とされる英語の触れさせ方について解説していきたいと思います。

赤ちゃんは人と直接関わることで言語を学習する

では、さっそく、第二言語の習得に関する有名な研究をひとつご紹介します。

これは、ワシントン大学の脳科学研究所の共同ディレクターであるパトリシア・クールによって行われた実験です。

この実験は、アメリカ人の赤ちゃんを対象におこなわれました。

パトリシア・クールは、まず赤ちゃんを2つのグループに分けました。

ここでは、【Aグループ】と【Bグループ】にしましょう。

そして、【Aグループ】の赤ちゃんには、中国語話者が直接話しかける形で、 12回の中国語のセッションを受けさせました。

一方で、【Bグループ】には、ただ英語を聞かせました。

その後、中国語における特定の発音を聞き分けるテストをおこなったところ、【Aグループ】のほうが良い成績をおさめました。

ここまでは、みなさんも予想通りだと思います。

ですが、クールらは、別の実験もおこないました。

この実験では、テレビを通して、お味用に中国語話者のセッションを受けるグループと、クマのぬいぐるみの映像を見せながら音声のみでセッションを受けるグループの2つに分けました。

その結果、両方のグループとも、学習効果は得られませんでした。

直接話しかける形で英語に触れさせることが大事

パトリシア・クールの第二言語に関する研究からもわかるように、乳幼児向けの英語のDVD教材を見せても大きな学習効果を期待することはできません。

そのため、もし、小さいうちから英語に触れさせたいのであれば、英語の先生が直接子どもに話しかける形をとることが良いといえます。

そのため、国内で本気でお子さんをバイリンガルにしたいのであれば、インターナショナルスクールや乳幼児向けの英語クラスを設けている幼稚園などに通うことが重要と言えます。

また、それがむずかしければ、ネイティブの先生に触れられる英語教室などに通うのもひとつの手段です。

ただ、まちがっても、高額なDVD教材にだけ頼って、幼いお子さんにずっと見せることだけはさけるようにしましょう。

さいごに

ということで、今回は、海外の研究を踏まえた、国内外の研究を踏まえて、乳幼児期の子どもを対象とした英語のDVD教材の効果や、有効とされる英語の触れさせ方について、解説してきました、。

もし、お子さんに早いうちから英語を触れさせてたいと考えている方がいらっしゃいましたら、ぜひ今回ご紹介した研究をひとつの参考にしてみてくださいね!

Kuhl PK. 2004. Early language acquisition: Cracking the speech code. Nature Neuroscience 5: 831-843.

Kuhl PK, Tsao FM, and Liu HM. 2003. Foreign-language experience in infancy: effects of short-term exposure and social interaction on phonetic learning. Proc Natl Acad Sci U S A. 100(15):9096-101.