幼児教育

生後7か月~9ヶ月の赤ちゃんに効果的な幼児教育と関わり方

生後7か月~9か月の子どもは、首がすわってお座りができるようになったり、少しずつ体全体を動かせるようになって、できることがたくさん増えていきます。

そのため、この時期にお母さんやお父さんが適切な関わり方をしてあげることで、後々お子さんに良い発達をもたらすことができます。

そこで今回は、生後7か月~9か月の赤ちゃんに効果的な幼児教育や具体的な関わり方について、わかりやすく解説していきます。

具体的にどんなことをしてあげたらいい?

最初にもお伝えしたように、生後7か月~9か月の子どもは、お座りができるようになったり、体を少しずつ動かせるようになって、見える世界が変わったり、できることがだんだん増えていきます。

それに伴って、お母さんお父さんも今まで通りスキンシップをとったり、たくさん話しかけてあげることはもちろん、脳を刺激するような働きかけをしてあげることで、お子さんの発達に良い影響を与えることができます。

また、普段の関わり合いの中で次のような工夫をしてあげることで、さらに脳の発達を促すことができます。

①ストロートレーニング

②指を使った遊び

③屈曲反射と伸張反射のトレーニング

④つまむトレーニング

⑤鏡を使った顔の認識

⑥目あそび

⑦三原色を使ったあそび

⑧おむつなしの時間を作る

⑨転び方の練習

⑩どっちゲーム

では、①~⑩について、それぞれのポイントややり方を少し詳しく見ていきましょう。

①ストロートレーニング

赤ちゃんには、胎児のときから「吸啜反射」があります。

「吸啜反射」とは、口に入ってきたもの(ママの乳首や指など)を強く吸う反射のことです。

この吸啜反射をがあるため、生まれてからすぐに母乳を飲むことができます。

吸啜反射を活用して、この時期になったら、コップから直接飲むようになる前にストローで飲む練習をしましょう。

ストローで飲む練習をすることで、自分の意思で「吸う」という運動ができるようになったり、「どれくらいの力で吸ったら、どれくらいの量が口に入ってくるのか」を覚えることができます。

また、吸啜反射は生後1~2か月で徐々に弱くなっていきます。

そのため、お母さんが赤ちゃんの口にストローを加えさせ、ストローに慣れさせる必要があります。

ちなみに、このストローを使ったトレーニングをするときは、透明なストローを用いることをおすすめします。

そすうることで、赤ちゃんもお母さんも液体がストローを取って口の中に入っているのを確認しやすくなります。

ここまでのことを踏まえた上で、何かを飲ませるときは、お母さんが見守りながら積極的にストローを使わせるようにしましょう。

②指を使った遊び

おすわりができるようになったら、手を使った遊びに取り組んでみましょう。

このときにおそすめなのが指を使ったごあいさつ遊びです。

指遊びのやり方は至って簡単で、親指と他の4本の指を順番につけるようにするだけです。

まずはお母さんがお手本を見せて、赤ちゃんにまねをさせてあげましょう。

また、この遊びを通して、親指と他の4本の指を独立して動かすことを教えるようにしましょう。

加えて、この遊びをするときは、「これは親指ですよ」というゆうに指の名前を繰り返し言ってあげることで、同時に指の名称も覚えることができます。

こうすることで、脳の運動野と言語野などを総合的に刺激することができます。

③屈曲反射と伸張反射のトレーニング

この頃になったら、赤ちゃんの反射行動を利用して、合図をきっかけに運動するというトレーニングをするようにしましょう。

この練習はおむつをかえる時におすすめです。

まず、おむつを外したときに、「1」と声をかけながら赤ちゃんの太ももをやさしくつねり、次に「2」の声掛けと同時に足の裏を押します。

赤ちゃんは足を軽くつねると、反射的に足を曲げます。

これを「屈曲反射」と言います。

また、足の裏を押すと反射的に足を伸ばします。

これを「伸張反射」と言います。

先程お伝えした「1」「2」の掛け声で、この屈曲反射と伸張反射ができたら、さいごに「よくできました」と言って、体をさすってほめてあげましょう。

運動をはじめる前に「これからおむつ体操を始めますよ」と声をかけてあげるのもポイントです。

この運動を、おむつがえをするときに、左右の足で同じ回数の練習をするようにしましょう。

④つまむトレーニング

ボールなどをギュッと握れるようになったり、②でご紹介した指遊びができるようになったら、次は二本の指でつまむ練習をはじめましょう。

まずは、お母さんが親指と人差し指の2本で物をつまむのを赤ちゃんの前で見せてあげましょう。

そして、次に赤ちゃんにまねをせます。

うまくできないようでしたら、赤ちゃんの手や指を持ったりして補助してあげましょう。

そして、それができるようになったら、次は親指と中指、など、いろいろな指を使ってつまむ練習をさせてあげましょう。

また、この練習をする時に、赤ちゃんとお母さんが向かい合う形を取ると左右が逆になって混乱してしまうため、最初は並んで座るようにしましょう。

つまむ練習をすることで、脳の運動野だけではなく、物事を決定するために働く前頭前野の10野が働くとされています。

そのため、赤ちゃん自身にどの指を使うかなどをじっくりと考えさせながら、ゆっくり取り組むようにしましょう。

⑤鏡を使った顔の認識

この頃の赤ちゃんには、鏡を使って自分の顔を認識させるのも大切です。

まず、赤ちゃんと鏡の前に並んで座りましょう。

次に、鏡に写った赤ちゃんに向かって、お母さんが自分の目を指差して「目」、口を指差して「口」というように、顔のパーツとその名称を教えてあげましょう。

そして、赤ちゃんがお母さんのまねをして、指を指させるようになったら、「目はどこですか?」「口はどこですか?」と言って、該当する部位を自分で指さすように働きかけてあげましょう。

この遊びを通して、赤ちゃんは自分の顔を認識するとともに、その顔を構成する部位の名前を覚えることができます。

⑥目あそび

この月齢の赤ちゃんには「目遊び」もおすすめです。

やり方は簡単です。

赤ちゃんと向き合いながら、「上がり目、下がり目、ちっちゃな目。くるっと回ってね~この目」と歌いながら、人差し指で自分の目尻を上げ下げしていきます。

・上がり目
→目尻を上に引っ張り上げる

・下がり目
→目尻を下に引き下げる

・ちっちゃな目
→目尻を内側に寄せる

・くるっとまわってね~この目
→目尻に円を描くように指を回す

歌に合わせて垂れ目やつり目などお母さんの顔つきが変わるところをみせてあげることで、赤ちゃんも面白がったり、楽しんだりすることができます。

また、これができたら、二人で鏡の前に座って、どんな顔に変わるのかを見るのもまねの練習になります。

加えて、この遊びをすることで、表情を作る筋肉の練習になるとともに、目の周りが痛くならないように指の力を加減する練習にもなります。

爪が伸びていると危ないため、必ず爪を切ってから行うようにしましょう。

⑦三原色を使ったあそび

この時期から、赤ちゃんに少しずつ色を教えてあげましょう。

色を教えるにあたって、まずは「青・緑・赤」の「光の三原色」からはじめましょう。

まずは、青・緑・赤の積木を用意して、それを見せながら「これは赤ですよ」といった感じで色とその名称を覚えさせます。

そして、赤ちゃんがその積み木に興味を持ったり、手にとったりするようになったら、今度は青と赤の積み木を持って、「赤はどっちでしょう」と聞いたり、「どっちの色が好き?」と質問したりしてみましょう。

また、この遊びを行う時に、無理に覚えさせようとしたり、勉強のような形で教え込むのはNGです。

あくまで親子あそびのひとつとして、楽しくやってあげるようにしましょう。

そして、「青・緑・赤」を覚えたら、少しずつ色の種類を増やしたり、りんごなど三原色の絵を見せながら同じように教えたりしましょう。

⑧おむつなしの時間を作る

全身を使って遊べるようになってきたら、おむつを外して遊ぶ時間を作ってあげましょう。

おむつを外すことで、身軽になったり、解放感を感じることができるとともに、速い動作などもできるようになります。

また、動いているうちに、足の運び方なども自分で学習していくので、正しいはいはいや歩き方などを身につけるきっかけにもなります。

また、今のうちからはいはいのために、膝頭の皮膚を強くしておくためにも、おむつなしの自由な時間を作ることは大切です・

ただ、異物が刺さってしまったり、怪我をしないように部屋の中はきれいにしておくようにしましょう。

ただ、中にはおしっこやうんちなどが心配という方もいらっしゃると思うので、そういう方はトレーニングパンツなどを履かせるのもおすすめです。

⑨転び方の練習

おすわりができるようになったら、今度は転び方の練習をはじめましょう。

というのも、おすわりができるようになったばかりの赤ちゃんは、最初の頃は姿勢を保つための筋力が不足してる上に、バランスがうまくとれないため、安定して座ることができません。

そのため、赤ちゃんが疲れた時に、ゴロンと上手に横になれるような転び方を覚えさせることが必要です。

そこで、おすすめなのが赤ちゃんの迷路反射を応用した動作の練習です。

やり方は、まず赤ちゃんを座らせます。

そして、赤ちゃんの手のひらをパーにさせて、床の上につかせます。

これを確認したら、赤ちゃんが床につけている腕のひじの内側を軽くポンと叩きます。

そうすると、迷路反射が働いて、ひじが曲がって上体が倒れかけたときに指をぱっと開いて、体を支えるようになります。

このトレーニングを繰り返し行うようにしましょう。

そうすることで、おすわりから寝転がるとき以外にも、転倒したときなどに怪我をしにくくなります。

⑩どっちゲーム

「いない・いない・ばあ」の遊びができるようになったら、次におすすめのが「どっちゲーム」です。

これはみなさんも一度はやったことがあるゲームですよね。

やり方は至って簡単です。

まず、お母さんが両方の手の平を上に向けて、片方の手の平にアメやおもちゃなど、小さな物を置いて、赤ちゃんに見せます。

次に、赤ちゃんがしっかりと見たのを確認したら、そのまま両手を握って、「どっちにある?」と問いかけ、指をさすように働きかけましょう。

このときのポイントは、最初は赤ちゃんに覚えてもらうために、じっくりと見せてあげることです。

また、手を握るときに手を後ろに隠してしまわないことも注意しましょう。

そして、慣れてきたら最初に見せる時間を少しずつ短くしていきましょう。

短時間で覚えられるということは、それだけ脳の働きが速くなっているサインでもあります。

ちなみに、このゲームは、短期的に記憶するワーキングメモリーのトレーニングになります。

そのため、普段の関わり合いのなかで、このゲームを行って、お子さんのワーキングメモリーを早くから鍛えるようにしてくださいね!

さいごに

今回は、生後7か月~9か月の赤ちゃんに効果的な幼児教育や具体的な関わり方について解説してきました。

この時期は、首もすわったり、体全体を少しずつ動かせるになったりして、赤ちゃんから見た世界が大きく変わる時期とも言えます。

そのため、普段赤ちゃんと関わり合うなかで、今回解説したことを実践してみてくださいね!